小説 国営パチンコ店 13回転目
大学時代をバイトと麻雀と勉強の
ローテーションで過ごした翼。そんな
彼も就職をしていた。両親の共働きのため、おばあちゃんの家に預けられていた幼少期の影響もあってか、介護の
業界に身を投じていた。
「ばあちゃん子は社会に出たら3割引きやけん頑張らんばね」と小さい時から教えられていた。そんなおばあちゃんは介護することなく他界していた。
「孫も10人おるし、好きな踊りもいっぱい踊った。よか人生。」
お正月の親戚の集まりでは花札したり、トランプしたりと頭の体操と言いながらお年玉を減らしてくれた。
「勝っても負けても時の運。相手に嫌な思いをさせんごと。」
こんなところから負けの美学を学んでいたのかも知れない。
続く。
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